A. 税理士が相続税の申告書を作成するときや、税務調査で預金の動きを調べる理由は、
「名義預金」や「申告漏れ資産」の有無を確認するためです。
被相続人が亡くなる前にどのようなお金の動きがあったのかを追うことで、
実際の資産状況や贈与の有無を把握し、正しく課税できるようにするためです。
たとえば、亡くなる直前に多額の引き出しがあった場合、
そのお金がどこへ行ったのかを調べます。
もし家族の口座に移っていた場合、その資金が「贈与」として認定されるのか、
単なる名義預金とされるのかによって、課税額が可能性があるからです。
また、以下のような点も調査されます:
① 毎年同じ金額の振込がある(定期贈与の否認対象)
② 名義は家族でも、実際は被相続人が管理していた
③ 多額の預金移動があるが、申告に含まれていない
国税庁も、調査では「過去の預金取引や通帳、金融機関の情報を確認し、実質的な財産の把握を行う」としています。
つまり、預金の動きを調べることで、相続税逃れを防ぎ、正しい課税を行うことができるのです。
生前の資金管理や記録は、税務調査に備えるうえで非常に重要です。
NEXTi法律会計事務所は、法務及び会計・税務に関する総合的なアドバイスをワンストップにてご提供いたします。