A. 相続税の延納や物納は制度としては存在しますが、簡単にできるものではありません。
厳しい要件や手続きがあるため、多くの方にとっては「現金での一括納付」が最も現実的な方法になります。
1.延納の難しさ
延納は、金銭で一度に納税できない事情がある場合に申請できますが、
「申告期限内に申請する」「利子税の支払い」「担保の提供」など複雑な条件が課されます。
例えば、遺産の大半が自宅や土地で、現金がほとんどないというケースでも、延納が必ず認められるわけではありません。
担保を準備できないと、延納の許可はおりません。
2.物納の難しさ
物納は、延納でも納付が難しいときに使える制度ですが、認められるケースはごく少数です。
物納できる財産は「国が受け取って管理しやすいもの」に限られ、不動産でも共有名義や抵当権がついているものは対象外となります。
たとえば、相続したアパートが物納に使えると思っていても、借地権があれば不適格となる可能性があります。
このように、延納も物納も制度上は用意されていますが、
実際に使うには高いハードルがあり、事前の計画と専門家の支援が不可欠です。
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